「有害な欲望」  加藤 智恵牧師
テモテへの手紙 一 6章1~12節   アモス書 8章4~7節

本日の聖書個所テモテへの手紙 一 6章1~12節には、4つの内容が書いてあります。  最初は金銭欲の有害についてです。金持ちになろうとする者は、誘惑、罠、無分別で有害な様々の欲望に陥ります。その欲望が人を滅亡と破産に陥れます。食べる物と着る物があれば、私たちはそれで満足すべきです。  続いて主人と奴隷の関係が書かれています。奴隷はその主人に刃向かったりしてはならない、尊敬すべきである。と言うのは、神様の御名とキリストの教えが冒涜されないためです。奴隷は主人に従うことによって、クリスチャンとして証しをしているのです。  3番目には、異なる教えを説き、キリストの教えに従わない者について書いてあります。そのような者は高慢で、何も分からず、議論や口論に病みつきになっている人です。そこから、ねたみ、争い、中傷、邪推、絶え間ない争いが起こるものなのです。  4番目は、信仰は戦いであるということです。信仰には戦いが伴いますが、信仰の戦いを戦い抜くのは、永遠の命を手に入れるためです。永遠の命とは、霊魂不滅とか、地上の生命の延長ではなく、全く新しい命です。その命とは、主イエス・キリストによって与えられた復活の命です。主イエス・キリストを信じる事によって、神との交わりに入り、体得するものなのです。
旧約聖書のアモス書8章4~7節に移ります。4~6節には、弱い者いじめの実際について書いてあります。神は言われます。「このことを聞け。貧しい者を踏みつけ、苦しむ農民を押さえつける者たちよ」と。彼らは「新月祭はいつ終わるか。安息日はいつ終わるか」と言います。新月祭は日常の生活を休んで礼拝を守る日と定められていました。しかし、裕福で貪欲な商人たちには、これらの日は商売の妨げにはなっても、祝福と感謝の日とはなりませんでした。「穀物を売りたいものだ」「麦を売り尽くしたいものだ」「エファ枡は小さくし、分銅は重くし、偽りの天秤を使ってごまかそう」。彼らの思いは、早くこのような日が終わって、金儲けをしたいということに集中していました。彼らは不正な商売で得たお金で、人身売買まで行い、さらに金儲けをします。このような不正や強欲さに、精算する時が来ているのです。神の刑罰の日は、イスラエルの栄光の没落の日であり、暗黒の日となるのです。
新約のテモテには金銭欲の誘惑が、旧約のアモス書には、商人たちの不正と強欲に対する神の裁きが示されています。お金を一番愛することは、悪の根であるのです。私たちはお金よりも神の愛を第一に求めましょう。

説教要旨(10月6日)