「喜びの知らせ」 加藤智恵牧師

ゼファニヤ書 3章14~18節、ルカによる福音書 1章5~25節

旧約のゼファニヤの時代の宗教的道徳的状況は暗いものでした。特に上層階級の腐敗堕落が目立ちました。異教の風習はユダを侵し、宗教混交や宗教的無関心がはびこっていました。ゼファニヤはユダの上層階級が悔い改めるように迫りましたが、悔い改めは実現しませんでした。それ故、主の怒りの日は必ずや来ます。けれども、この暗い時代にも、神に従う残りの者を神は用意されています。悪しき時代の迫害に耐えて、残りの者によって信仰の火は守られてきました。神の国を相続するのは、このような「柔和な者」「貧しい者」すなわち「よるべのない人」なのです。これはわたしたちの常識をひっくり返すような人たちなのです。ゼファニヤ書には、人々の不信仰によってすっかり穢れに染まってしまった人たち、心を頑なにして決して神の言葉を聞かない人たちに対して裁きを下し、残りの者によって信仰が回復し、主の日における救いの喜びが書かれています。神は傷ついた葦を折ることなく、くすぶっている灯心を消すことがありません。

新約のルカによる福音書では、2人は神の前に正しい者でありましたが、ザカリヤとエリザベトには子供がなく、2人は老いてもう子供は与えられないような高齢になっていました。祭司ザカリヤが至聖所に入って香をたく係になりました。すると主の天使が現れ、香壇の右に立ちました。そして「ザカリヤ、あなたの願いは聞き入れられた。あなたの妻は男の子を生む。その名をヨハネと名付けなさい」と言います。ザカリヤは主の御使いの言葉を祭司といえども信じられませんでした。そしてしるしを求めます。そのためヨハネが生まれるまで口がきけなくなりました。その後、エリザベトは天使が言った通りに身ごもりました。本当に大きな喜びを、天使はザカリヤに伝えたのです。

旧約時代のイスラエルの町の回復とその喜びの福音が、イスラエルばかりでなく異邦人にも伝えられるという事も、新約時代のヨハネの誕生も人知を超えた神の業であり、神は私たち神を信じきる者に、大きな喜びを実現させて下さるのです。もうすぐ救い主の誕生日がやって来ます。私たちを本当に愛して下さる神様に感謝して、その日を静かに待ちたいと思います。

説教要旨(12月16日)