「主によって立つ」   加藤 智恵牧師
フィリピの信徒への手紙 4章1~3節   ヨシュア記 2章1~14節

フィリピの教会はパウロが第2回伝道旅行の際に、この町で伝道したことから始まりました。伝道の結果、紫布の商人であるルデヤが救われ、看守が救われ、彼らの家族も救われました。フィリピはヨーロッパで最初の教会となりました。この手紙の特徴はパウロと個人的にも親しい交わりを続けていたフィリピの教会に対する個人的な書簡であり、イエス・キリストの福音による喜びが全体に溢れています。けれど出来たばかりのフィリピの教会は、迫害に遭っていたと思われます。そして、フィリピの教会の建設のために共に闘ってくれていたエボデアとシンティケという2人の有力な婦人が対立していたことは、フィリピの教会にとって大きな痛手であったと思われます。パウロはこの2人の婦人に、主において同じ思いを抱きなさい、と勧めています。どうして2人の婦人がこのような対立をするようになったのかは分かりませんが、この教会を建て上げて来たのはこの私だという自負心が2人にはあったのかもしれません。自我の強さが同じ思いになれなかったのかもしれません。そして、この2人の執り成しをすることをパウロは信頼できる人に、この2人の婦人を支えてあげてください、と言っています。この2人の婦人は他の協力者と共に闘ってくれた大事な婦人だったのです。このように模範的なフィリピの教会にも、課題があったのです。教会が対立しないで、福音の業に励むことがどんなに大切かが分かります。
次にヨシュア記に移ります。ヨシュアは主に約束されたカナンの地に入る前に、2人の斥候を遣わして、エリコとその周辺を探らせます。2人はラハブという遊女の所に泊まります。斥候が来た事を知ったエリコの王は、探索のため役人をラハブの所に行かせます。その時のラハブの対応は賢明でした。役人を追い返すと2人の斥候に懇請します。イスラエルの民がカナンの地を征服した暁には、私がこのような誠意を見せたのだから、一族の者の命を救うという誠意を示して欲しい、と。2人の斥候は約束します。そしてラハブは異邦人でありながら「あなたたちの神、主こそ、上は天、下は地に至るまで神であられるからです」と信仰告白をします。カナンの地には豊穣の神がいて、預言者も沢山いましたが、ラハブはそれが本当の神ではない、イスラエルの神以外には、この世には神は存在しないという信仰を持っていました。ラハブは遊女でしたが、美しい信仰を持っていたのです。人間は人をうわべで見がちですが、神は人の心をご覧になります。そして、このように告白できたのも、真の神が心の中に住んでいたからです。こうしてラハブはルツのように異邦人でしたが、神は信仰の父であるアブラハムから主イエス・キリストに至るまでの系図の中に入れられました。
もう駄目と思えるようなことが沢山現れてきますが、その1つ1つの扉を開いて下さるのは、主によってしっかりと立ち、主イエスに信頼することの結果です。初代の教会のフィリピの信徒たち、また異邦人ラハブのように真の神によって、私たちはしっかりと立ちたいと思います。

説教要旨(8月4日)