「わたしは主、あなたの神」 加藤智恵牧師
ルカによる福音書 9章10~17節   イザヤ書 41章8~16節

「使徒たちは帰って来て、自分たちの行なったことをみなイエスに告げた」という書き出しで始まっています。使徒たちはどこから帰って来たのでしょう。主イエスは12使徒を呼び集め、あらゆる悪霊に打ち勝ち、病気を癒す力と権能をお授けになった。そして、神の国を宣べ伝え、病人を癒すために遣わされた。その時、伝道の旅には何も持って行ってはいけない。杖も袋もパンも金も持ってはならない。下着も2枚は持ってはならない、と命じました。12弟子は、何も持たずに自分の身一つで伝道に出かけたのです。帰って来た弟子たちは伝道の成果を主イエスに伝えました。主イエスは弟子たちの疲れを癒すために、ベトサイダという町に退かれました。ところが群衆はイエス様一行の後を追いかけます。主イエスは疲れているにもかかわらず、神の国について語り、治療の必要な人々を癒されました。
日が落ちかけました。弟子は、群衆を解散させて下さい。こんな人里離れた所では食べ物が手に入りません、と言います。しかし、主イエスは「あなた方が彼らに食べ物を与えなさい」と言われました。既に弟子たちを伝道の旅に送り出す時に、あらゆる悪霊に打ち勝ち、病気を癒す力と権能をお授けになった。そして無事に伝道の旅から帰って来た。あなたたちには特別の権能を授けたのだから、この群衆に食べ物を与えることが出来るでしょう、と暗に言われたのです。それは「イエスは主であり、あなた方の神なのです」このわたしに聞きなさいと言われているのです。しかし、弟子たちは常識的な思いにとらわれて「パン5つと魚2匹しかありません」と答えます。
するとイエス様は弟子たちに、群衆を50人位の組にして座らせます。他の福音書には、座った場所について、「皆を組に分けて、青草の上に座らせるようにお命じになった」とあります。羊飼いは青草を探し、羊を狼などから守って羊の世話をします。羊は羊飼いがいなければ一匹では生きていけません。主イエスは羊飼い、私たちは羊と言われます。羊飼いが羊を青草の茂る所に導くように、主イエスはベトサイダと言う広野で群衆に食べ物を与えるのです。主イエスは天を仰ぎ、パンと魚のために賛美の祈りを捧げ、そのパンと魚を群衆に配らせました。主イエスの中にあるパンと魚は、どれ程多くの人に配っても尽きることはありませんでした。パンの残りは大きな12の籠に一杯になりました。主イエスと食べるパンと魚に群衆は皆満腹しました。ベトサイダでの給食は豪華な食事に勝る祝宴でした。
イザヤ書41章13節では「わたしは主、あなたの神。あなたの右の手を取って言う。恐れるな、私はあなたを助ける、と。」このように言われています。
この1週間の旅路も主イエスが共にいてくださいます。

説教要旨(3月3日)